2013年02月19日

ロンドン、サウスバンクのイベント-The rest is noiseより、20世紀政治史

ロンドン・サウスバンクの現代音楽イベントーThe Rest is Noise
これは、20世紀の音楽と、政治・科学・他の芸術との関わりを考えながら振り返る。現代音楽のさらなる受容を目指すイベント。欧州の首都としての気概感じる、1年がかりの壮大な計画 http://t.co/ZENWaXvt

興味深いことに、このイベントは、83歳の政治家シャーリー・ウィリアムズによる、20世紀の政治の総括で始まった。

ウィリアムズ女男爵は欧州に第一次大戦が与えた衝撃を強調した。19世紀以来の英西ら帝国主義による世界分割の時代が一次大戦で終わるが、この大戦での欧州の犠牲者は史上最大(二次大戦より大)。しかし、戦勝国でも利益は僅少。しかもその後の二次大戦を予防できなかった。この欧州にとって一次大戦の苦い経験が、その後の紛争解決に対するコストと利益の考えを深めた契機になったとウィリアムズ氏は言った。

一次大戦以降の戦争は欧州から遠い場所で起こったと、ウィリアムズ氏は言う。実際、二次大戦の主たる死亡者は日本と中国であった。続くベトナム戦争は、米国とベトナムなど(私の補足:日本は二次大戦でこのコスト感覚を学んだのか疑問)

ウィリアムズ氏は欧州中心の20世紀政治史の45分間の講演で、三回日本に言及した。20世紀史での日本の存在は大きかったことを確認。その理由は次の3点。
1)一次大戦ころから、遅れて帝国主義に参加した日本が登場し、非欧州国として初めて世界政治に参加(その後、日本に続いたのはロシアと中国で、二次大戦でこの二国が日本を追い抜く)
2)原爆。氏は、人道(humanity)という概念が原爆の非人道的殺戮をへてようやく確立したと考える
3)質疑応答:原爆投下は正当化されるか?に対し(補足:ポツダム宣言にある、速やかな無条件降伏を日本が無視したため、低コストでの戦争終結のため、原爆はやむを得なかった、が公式理解)氏の答えは、「おそらく正当化されない」。理由は、連合国が日本の特質を理解する努力をせずに無条件降伏を強制したのは間違いだったと今は考えるから。日本において天皇は半神の存在であったと氏は理解。連合国が天皇の命の保護を約束すれば、原爆投下をせずとも日本は降伏しただろう、と氏は推測。

はるか日本より遠くのイギリスの政治家や市民が、今なお第二次大戦における日本の敗戦処理がそれで正しかったかどうかが考え、議論しているのだが、当の日本人は、どれだけ客観的に自らの歴史を捉え、考える努力をしているのだろうか。最近の中国に挑発的な政治家・マスコミの態度を見ていると、大変こころもとない。今こそ、二次大戦での誤りの数々を避ける手だてはあったのか、一人一人の日本人が真剣に歴史を考え直すべき時のように思う。
posted by 小野昌弘 at 08:49 | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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